生きてるだけでまるもうけ

つらい事もあるけれど生きてるだけでもラッキーなのです

【小説】 火花

これだけ騒がれると、、、というか

賛否両論あると、「ほんとのところどうなのよ?」ってのが気になって読んでみた。

 

読む前に、

 賞に値するのか

 面白いのか

 大多数はどう感じるか

という視点を持っていたけど、ちょっと忘れて純粋に物語として

向き合って読んだ。

 

感じたのは、可もなく付加もなく

賞をとれるとも思えなかったけど、あそこまで批判される内容でもないかな。

 

個人的な意見ではあるけど、

純文学(?)っぽい感じではあるけど、内容が漫才って俗物的なテーマになっていて

違和感がありまくり。

 

立派な装丁したエロ本みたいな違和感が終始あった。

 

昔の純文学に出てくる人たちは文化人、、、高等遊民とか、世間離れした人たちだから

そういった意味では漫才師っていうのは現代版って言えるのかもしれない。

 

でも、そもそも漫才師、芸能人、芸人とか言われるTVに出る人たち、

はっきり言うとアーティストと報道系以外の人(報道系にも一部いるけど)は

俺は高尚な人、ってイメージが無い。

 

だから、いくら笑いに対してすごい哲学を持っていようが、それを

どんだけきれいな文章で表現されようがキャラのベーシックなイメージが

文学とマッチしないから居心地が悪いのなんのって、、、

 

賞とか以前に物語として趣味じゃない。

 

でも、文章としての美しさはちょっと感じた。

俺はあまりそんな事を気にしないで読む方だけど

わざとらしい表現はあるにしても基本的に情景が思い浮かぶ良い文章だなと

特に、その場面場面で五感に訴えるというというか

色や、香り、風の感じとか、ふわっと感じられた。

 

夏目、谷崎、芥川みたいな物語全体に漂う「色」という感じじゃなくて

その場面場面で色とかが変わって感じる。

これは正直すごいなぁって。

 

そこを評価したのかな?

 

読んでも損はないけど、定価で買うのはどうかな?