【小説】 ツナグ
既に死んでしまった人間と生きている人間を会わせることができる能力をもった主人公と
様々な事情から死者に会いたいと願い彼に死者と自分を「ツナグ」事を依頼してくる
人々の物語。
イタコのように他人を媒介するのではなく、死者を一晩だけ実体化して引き合わせる事ができる。
という、ファンタジー小説なのだが。。。。
テーマはファンタジー、でも描かれているものは自分だけではどうしようもできない
問題を抱えた人々が死者と向き合う事でどのように変化していくか、という内容。
依頼者によって区切られた短編形式で、最終章では依頼者それぞれの行く末と
主人公が抱える大きな謎が解明される、という構成。
やはり、辻村深月は面白い!
一気に読んでしまった。
この人の小説って、伏線のスケールが大きいのか後になって
これは、あの時の、、、って感じで伏線がわからない
(もしかして自分が鈍感なせい?)
主人公の性格までも後の物語の伏線みたいになっている
そういう仕掛けがあるとすごく読んでて面白い。
そして、それだけではなく出てくる人の心の闇の深さがすごく伝わる。
演劇少女の描写は残酷すぎると思ったくらい(最後に救われてよかったけど)
ちょっと重めの内容をライトに読みたい、そんな時におすすめでした。